かすかな希望を灯す歌詞、「ほころび」
【sonar-u community】響きを託す歌詞の作り方【ゲスト:kapu】
開催日: 2025/12/08
sonner-u community楽しく聴いております!
今回のkapuさん の楽曲「ほころび」を聴いた時、まず最初に心がすっと軽くなりました。自分の中に長いあいだ置きっぱなしにしていた後悔やコンプレックスを、そっと撫でてくれるような言葉が続いていくからです。歌い出しでは「無理に頑張りすぎた昨日」を思わせるような、少し疲れた風景が描かれます。でも、その描き方が弱さを責めるのではなく、「そういう日もあるよね」と静かに寄り添うようで、とても救われる気持ちになりました。
印象的なのは、サビに向かう前のフレーズです。落ち着いた声で語りかけるように、「ほころんでしまった部分も、私なんだよ」と自分自身に許しを与えるようなニュアンスが込められています。完璧じゃない自分を否定せず、そのまま抱きしめるような優しさが kapu さんらしいと思います。強いメッセージではなく、あくまで日常の中で自然に湧き出すような言葉が続くので、聴いている側も肩の力が抜けていきます。
サビでは、ほんの少しだけ明るい光が差し込むようにメロディーが広がります。「それでも歩いていける気がする」という控えめな前向きさが、現実を無視しすぎず、それでいて希望を手放さない絶妙なバランスで描かれているのです。大声で励ます歌ではないのに、不思議と胸の奥にじんわり温かさが残るのは、kapu さんの言葉選びがとても繊細だからだと感じます。
特に好きなのは、曲の終盤で繰り返されるフレーズです。そこには「壊れそうでも、まだ大丈夫だよ」という、どこか自分に向けた小さなエールのような響きがあり、誰かに言っているというより、聴いていると自然と呼吸が深くなる感覚があります。
「ほころび」は、頑張りすぎる人にそっとブレーキをかけてくれる曲…完璧じゃなくていい、欠けていてもいいと、優しく思わせてくれる。kapuさん の持つあたたかさが一番美しく表れる一曲です。
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