アングラ感が良い!
エマージェンザ・ジャパン2026東京予選第6戦
開催日: 2026/02/15
「どろちゃんの部屋」。
その少し不思議で、どこか親密な響きを持つバンド名に惹かれ、扉を開けるような気持ちで楽曲を再生しました。
そこから流れてきたのは、まるで古い映画を見ている時のような、懐かしくて切ない、けれどとても新しい音楽でした。
音の粒が幾重にも重なって押し寄せてくる、シューゲイザーのような深い響き。
その轟音は決してうるさいものではなく、冷え切った体を包み込む毛布のように温かく、私を優しく守ってくれるようでした。
そして、その音の壁の向こうから聴こえてくる、女性ボーカルの方のアンニュイな歌声。
決して声を張り上げることはなく、ため息をつくように、あるいは独り言を呟くように紡がれるその声は、都会の喧騒に疲れた私の耳に、心地よい静寂をもたらしてくれました。
何より心が震えたのは、その歌詞とメロディが織りなすドラマチックな世界観です。
どこか昭和の歌謡曲を思わせるような、琴線に触れるメロディライン。
そこに載せられた言葉は、シンプルでありながら、心の奥底にある澱をすくい上げるような深みを持っていました。
「ドラマティック」という言葉がこれほど似合う音楽もそうありません。
派手な言葉で飾るのではなく、誰もが胸の内に秘めている寂しさや、言葉にならない感情を、丁寧に音にしている。
聴いているうちに、自分自身がその物語の主人公になったかのような錯覚を覚えました。
「懐かしい感じもするけど、最近っぽくアレンジされていてセンスを感じる」。
そんな感想を抱きましたが、それは単なるファッションとしてのレトロではなく、過去と現在、そして聴き手の心とを繋ぐ、確かな「歌心」があるからこそなのだと思います。
現代社会で生きる私たちが、ふと立ち止まって息をするための場所。
「どろちゃんの部屋」というバンド名は、まさにそんな、心の隠れ家のような音楽を奏でる彼女たちにふさわしい名前だと思いました。
ライブハウスという空間で、この濃密な世界観がどのように展開されるのか。
あふれ出す音の波と、アンニュイな歌声に全身で浸れる時を、心から楽しみにしています。
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