普段から、セットリストは本番の直前に決めるという堂本剣人さん。この代表決定戦でも、本当に直前に決めたと聞いて毎度の事ながら驚きました。これは、その瞬間の空気や会場の温度を大切にしているからこそできるスタイルで、その日だけの、その場だけの“生”のステージを届けているのだと感じました。いざ剣人さんのステージが始まり、どの曲でスタートを飾るのかと楽しみにしていたところ、まさかの「浪漫Spring」！！！ファンの方々ならご存知かと思いますが、なかなか1曲目には聞けない歌です。イントロのルーパーが重なった瞬間、会場の空気がすっと静まり、ざわめきが音に吸い込まれていくようで、画面越しでも「始まった」という確かな合図が伝わってきました。普段一曲目にやらない曲でも、ルーパーの調子は絶好調で鳥肌が立ちました。そしてなんと2曲目は、剣人さんの代名詞とも言える「優しい花」。この曲は、豪快さの中に繊細さが宿っていて、声と呼吸と指先のタイミングが合わないと成立しない、バランスを取るのが難しいなと感じます。アコースティックギターを少しかじっている人からすると、ルーパーに録音するのはとても難しいと思う曲なのですが、それをものの数秒で、迷いなく録音してしまうあの安定感。すでに音が身体に染み込んでいるんだろうなと感じる自然さでした。そしてそこに加わる、優しい歌声。鳥肌(第二弾)です。そして最後の曲は、ファンの方々全員が待っていたであろう待ち合わせの目印「sorana」！！！剣人さんの〆の曲といえばこの曲しかない！と思っていました。初めて堂本剣人さんと出会った人にとっても、ずっと応援してきた人にとっても「待ち合わせの目印」になるような、出会いの温かさを陽だまりで感じているかの様な気持ちになりました。終わったあとすぐには言葉が出ないような、音よりも長く余韻が残るステージだったと思います。全体を通して、「歌を聴く」のではなく「空間そのものを体験する」ライブでした。心が追いつかないまま、気づいたら終わってしまうような、特別な時間でした。本当に素敵な音楽をありがとうございました！！！