パノラマとラボラトリーさんの音楽を、同じ空間で体感したいという気持ちだけで参加しておりました。

演奏が始まった瞬間、音楽という枠を超えて、空間そのものが変化したように感じました。ヨーロッパで活躍されていたドラマーのドラムは、力強さで押すのではなく、音の配置そのもので流れを作り出しており、気づけば自然と身体がリズムを受け取っていました。森田さんのキーボードは、旋律というよりも景色のように広がり、ジャズやポップス、エレクトロニカといったジャンルを横断しながらも、どこか一貫した世界観を保っていました。

世界最大規模のインディーズ大会で結果を残されていることは存じておりますが、その実績を前面に押し出すような演奏ではありません。

むしろ、今この瞬間に鳴っている音を大切にし、聴き手を自然と音の中へ導いていく、非常に誠実な音楽だと感じました。

推しとして感じたのは、構える必要がないということです。身を委ねた分だけ、音楽が応えてくれる。その感覚を、改めて強く実感いたしました。結果以上に、この体験そのものが価値のある時間だったと、心から思っております。