応援してます
【セミファイナル Bブロック】OTONOVA2026 (オンライン枠)
開催日: 2025/12/20
やまだぷりんというアーティストを語るうえで、まず注目したいのは、その楽曲が持つ強度と独自性です。名前の柔らかい響きから想像されがちなのはポップで軽やかな世界かもしれませんが、実際に触れる音楽は、ヒップホップを軸にしながらもジャンルに回収されきらない、非常に個人的で切実な表現に満ちています。ビートが鳴った瞬間から、これはただの雰囲気ではなく「言葉を届ける音楽」なのだと感じさせられます。
やまだぷりんの曲の魅力は、ヒップホップ特有のリリック重視の姿勢を持ちながら、それを誇示しすぎないところにあります。日常の中で生まれる違和感や、弱さ、投げ出したくなる瞬間を、決して大きな言葉に置き換えず、そのままの温度でラップや歌に落とし込んでいく。そのため歌詞はとても生々しく、聴いていると「これは誰かの物語」ではなく、「自分の中にも確かにある感情」だと気づかされます。
ビートやトラックも、言葉を引き立てるために計算されています。過剰に主張することはなく、むしろ余白を残したヒップホップ的アプローチによって、声の抑揚やリリックの間合いが際立ちます。その静けさがあるからこそ、何気ない一行が強く胸に残り、聴き終わったあとも頭の中で反芻してしまうのです。
やまだぷりんの曲は、繰り返し聴くことで意味を変えていきます。最初はメロディやフロウの心地よさに惹かれ、次第に言葉の奥にある感情に気づいていく。ヒップホップという表現方法を使いながら、答えやメッセージを一方的に突きつけるのではなく、聴く側に解釈を委ねている点も大きな魅力です。
ライブで聴くやまだぷりんの楽曲は、音源以上にリアルです。ヒップホップの持つ即時性と、生身の感情が重なり、同じ曲でもその日、その瞬間にしか生まれない表情を見せてくれます。一語一語を噛みしめるように放たれるリリックからは、音楽への覚悟がはっきりと伝わってきます。
やまだぷりんの曲は、派手に背中を押すわけでも、答えを提示するわけでもありません。それでも、立ち止まったときや、気持ちを整理したいときに、そっと隣にいてくれる音楽です。ヒップホップという枠を持ちながら、その枠を超えて日常に溶け込んでいく楽曲たち。これからどんな曲が生まれていくのか、一つひとつを丁寧に受け取りながら、長く聴き続けていきたいと思わせてくれるアーティストです。
レビューやコメントを投稿するとギフトがもらえる!
ログインしてコメントする


