なるとしさんの静かに心へ届く歌声の力
【セミファイナル Bブロック】OTONOVA2026 (オンライン枠)
開催日: 2025/12/20
初めて、なるとしさんの歌を聴いたときに強く印象に残ったのは、感情を前面に押し出すのではなく、聴き手の心に静かに入り込んでくる表現力でした。声や言葉が過剰に主張することなく、自然な温度感で伝わってくるため、気づけば自分の内面と向き合わされているような感覚を覚えました。
なるとしさんの魅力は、歌唱技術だけに留まらず、これまでの人生経験や葛藤が無理のない形で楽曲表現に落とし込まれている点にあると感じています。生きづらさや社会との距離感を抱えながらも歌い続けてこられた背景が、声の揺らぎや言葉の選び方に説得力を与えており、聴き手に「理解されている」と感じさせる力を持っていると思います。
実際に、なるとしさんの歌を聴くことで、「自分はひとりではないのかもしれない」と感じるようになりました。これは一時的な感情の高まりではなく、自己否定に傾いていた思考が、少しずつ和らいでいくような変化でした。弱さや迷いを否定せず、そのままの状態を受け止める姿勢は、同じように生きづらさを抱える人にとって、大きな支えになると感じています。
答えが見つからないまま日々を過ごしている人に対しても、「それでもいい」と伝えてくれる表現は、なるとしさんの大きな特徴であり、他のアーティストにはない独自性だと思います。寄り添いながらも依存させない距離感は、長く心に残る音楽としての価値を高めていると感じました。
今回の二次審査通過は、個人的な喜びであると同時に、なるとしさんの歌がより多くの人に届く可能性が広がった結果だと感じています。その優しくも芯のある歌声は、聴く人の心に寄り添い、それぞれが抱える夜を越える力を持っていると感じています。今後、より多くの場で表現されることで、同じように居場所を見失いがちな人々にとっての支えとなる存在になっていくことを、強く期待しています。
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