昨年の冬のある深夜、急いで帰ろうと西武新宿駅に入ろうとした僕の足をすごい力で引き止めたのが、シンガーソングライター八島未樹さんです。

すごい力と言っても、八島さんが僕の肩を掴んだとか腕を引っ張ったとか、そう言う事ではありません。

その時、八島さんは西武新宿駅前で路上ライブを行っていて、八島さんの奏でる音楽が、無意識に僕の足を止め、振り返らせたのです。

その時、八島さんが歌っていたのは「バイバイメロディー」というバラードだったのですが、その曲のメロディーとアコースティックギターの響きと、八島さんの歌声の美しさが、急いで帰ろうと歩いていた僕の心に瞬時に届いて、がっちりと捕まえてしまったのでしょう。

そんな体験は初めてで、すぐに西武新宿駅に入るのを止め、近くの程良い場所に移動して聴き入っていました。

「あの美しい音楽を演奏しているのは一体誰なのか？ＣＤを買う事は出来るのか？それを知らなければ一生後悔するに違いない。西武新宿駅の終電を諦めてでも、こっちを優先しなきゃダメだ」と、自分の心が自分に呼び掛けていたのを覚えています。

以前、 ロックバンドGLAYのTERUさんが吉祥寺で偶然、八島未樹さんの路上ライブに通り掛って、その素敵な歌声に足を止めて聴き入っていたとご本人がツイート（ポスト）されていましたが、TERUさんの心にも、僕が体験したのと同じような美しい響きの魔法が届いていたのかもしれません。

ファイナルまで出場したアーティストさんは、皆さん魅力的なミュージシャンであり、たくさんのファンがいらっしゃる存在だと思いますが、八島未樹さんも同じく唯一無二の魅力を持った素晴らしいシンガーソングライターです。

今回、このステージに立った事で、八島未樹さんを知ったご縁を機に、一人でも多くの皆さんに、八島未樹さんの音楽の響きが持つ癒しの魔法を感じて欲しいなと、そして八島未樹さんの事も好きになって欲しいな・・・と、

音楽を愛する一人の人間として心から願わずにはいられません。