青春
【セミファイナル Fブロック】OTONOVA2026 (オンライン枠)
開催日: 2025/12/20
セミファイナルという言葉から想像する張りつめた空気とは少し違い、青春カムバッカーズのステージには、最初から遠慮のない音が広がっていました。音楽を評価されるものとしてではなく、放たれるものとして鳴らしているように感じ、その姿勢がとても印象に残りました。
青春カムバッカーズさんは、パンク、オルタナティブ、メタルといった要素が混ざり合ったサウンドは、決して整然としてはいません。しかし、その混ざり方に嘘がなく、勢い任せではない芯の強さがありました。
音の一つ一つに迷いがなく、今この瞬間に出したい音だけを選んでいるように聴こえます。疾走感のあるリズムと重たいリフが重なるたびに、会場の空気が一段濃くなるのを感じました。
ボーカルの存在感も強く、言葉を丁寧に届けるというより、感情そのものを前に差し出すような歌い方が心に残ります。きれいにまとめることよりも、伝わることを選んでいるようで、その不器用さが逆に信頼できました。
叫びの中にも、ふと心に引っかかるフレーズがあり、聴き終わったあとも頭の中で残り続けます。
もがいた時間や、無駄に思えた衝動まで含めて肯定してくれるような音楽だと感じました。大人になった今だからこそ、こうした真っ直ぐすぎる表現に心が動くのかもしれません。楽しむために音楽をやっている、というより、生きるために鳴らしている音に近い印象を受けました。
セミファイナルという場では、どうしても完成度や結果が注目されがちですが、青春カムバッカーズはそこに寄せすぎることなく、自分たちのスタンスを崩していませんでした。その姿はとても自然で、背伸びをしていない分、強く見えました。勝ちに行くというより、逃げずに立っている、そんな佇まいです。
たくさんの動画を見て欲しいです。
多くのアーティストが並ぶ中で、青春カムバッカーズは時間が経つほどに思い出される音を鳴らしていました。ふとした瞬間にステージの一場面が浮かび、もう一度聴きたくなる。そういう余韻を残してくれる存在です。
このセミファイナルは、彼らにとって大きな節目であると同時に、まだ途中であることも強く感じさせました。今の衝動をそのまま音に変える力がある限り、青春カムバッカーズの音楽は、これからも多くの人の心に引っかかり続けると思います。応援したくなる理由が、音の中にはっきりとありました。
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