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アーティストの「ストーリー」

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【sonar-u community】THE ART OF GETTING LOST〜迷いや葛藤を音楽に昇華〜【ゲスト:101】

開催日: 2025/10/20

「sonar-u community」のインタビュー動画「THE ART OF GETTING LOST」を視聴した。ゲストは「101」というロックバンド。 この企画の興味深い点は、「迷いや葛藤を音楽に昇華」というテーマ設定にある。これは単なる音楽紹介ではなく、アーティストの「ネガティブな感情」や「背景(ストーリー)」を意図的に開示することで、楽曲に深みと共感を付加するマーケティング手法だと分析できる。消費者は、単なるプロダクト(曲)だけでなく、その背後にある物語にも価値を見出し、結果として「ファン」となり、エンゲージメント(LTV)が向上するため、非常に有効な戦略だ。


101というバンドの音楽性は、[Alexandros](アレキサンドロス) rock band]に類似したハイトーンボイスのロックであり、既存の成功事例へのフックが効いている。これは新規リスナー獲得において有利に働くだろう。


内容で特に注目すべきは、メンバーの多様性(ダイバーシティ)がバンドの安定性に寄与している点だ。 ボーカルの原氏が「元ボーイズグループ志望」という異色の経歴を持つこと。これは単なる「ギャップ」ではなく、ロックバンド一筋のアーティストとは異なるスキルセット(例えば、基礎的な発声技術、ダンスで培ったフィジカルコントロール、そして何より「見られる」ことへの意識=ビジュアル戦略)をもたらしている可能性があり、大きなアドバンテージとなり得る。


対照的に、ベースのジャッキー氏が「葛藤は一切ない」と即答した場面は象徴的だ。原氏が「アーティスト気質(葛藤をエネルギー源とする)」であるならば、ジャッキー氏は「プレイヤー気質(純粋な実行者)」あるいは「バランサー」としての役割を担っている。組織(バンド)において、異なる性質のメンバーが互いの欠点を補完することは、長期的な活動において極めて重要だ。アーティスト気質の人間ばかりでは、内部の摩擦で崩壊するリスクが高まるからだ。 ベースの加入経緯が「あいてたベースに滑り込む」という偶発的なものであった点も、初期のスタートアップによく見られるアジャイルなチームビルディングの面白さを示している。


現在ドラマーが募集中とのことだが、これはバンドにとってのリスク(活動の停滞)であると同時に、新たな化学反応を生む最大のチャンスでもある。どのような人材がこのチームに加わるかで、101の今後の方向性は大きく左右されるだろう。

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