今回、OTONOVAのオーディションをきっかけに初めてラストランプというバンドを知り、動画で楽曲を聴きました。正直なところ、最初は予備知識もなく再生したのですが、音が流れ出した瞬間から、不思議と気持ちが落ち着いていくのを感じました。主張しすぎないのに、確かに心に残る。その感覚がとても印象的で、気づけば最後までじっくり耳を傾けていました。

代表楽曲の白夏は、初めて聴いたにもかかわらず、どこか懐かしさを覚える一曲です。夏をテーマにしながらも、きらびやかさよりは、少し色褪せた記憶や胸の奥に残った感情を丁寧にすくい取っているように感じました。軽やかなメロディの中に滲む切なさが、過去の出来事や、もう戻れない時間をそっと思い出させてくれます。映像とともに聴くことで、その世界観がより鮮明になり、情景が自然と浮かんできました。

ボーカルのayakiさんの声は聴く人の心に静かに語りかけてくるようで、その距離感がとても心地よいです。歌詞の一つひとつが丁寧に置かれているように感じられ、聴く側が自分の経験や想いを重ねる余白がしっかりと残されています。楽器の音も決して前に出過ぎず、歌の世界観を支えながら、楽曲全体に穏やかな流れを生み出していました。

OTONOVAのオーディションという場で初めて出会ったラストランプですが、「白夏」を通して、もっと他の楽曲も聴いてみたいと思わせてくれるバンドだと感じました。静かに心に残る音楽を大切にしている。そんな彼女達の姿が、映像越しでもしっかりと伝わってきました。