なるとしさんが、見事、OTONOVA2026（オンライン枠）第23ブロックの予選2ndを1位通過し、セミファイナルへと駒を進めた。非常に喜ばしい。

この夏、なるとしさんの唐突とも言えるOTONOVA2026エントリー宣言に、初めは戸惑いを隠せなかった。なるとしさんの持ち味である、聴衆とのコミュニケーションによって生み出される共感力や癒やし力は、曲がりなりにも「バトル」を冠する場で果たして発揮できるのか。バトルで成り上がりたい/盛り上がりたい層と、なるとしさんの音楽を求めている/必要としている層とは、あまりにもかけ離れているのではないか。

それでも、なるとしさんの決意は揺らぐことがなかった。音楽活動を始めた10年以上も前から、日本屈指のライブハウスであるZEPPの舞台に上がる日を夢見ていたこと。仲間たちとのライブやソロミュージシャンとしてのライブで、確実に経験と実力と自信を積み上げてきたこと。サントリーホールでの演奏で、なるとしさんのことを知らなかった人々へもなるとしさんの歌と思いが伝わったこと。そして、更なる飛躍を求めての挑戦へと至ったのだ。

なるとしさんの音楽を聴けば、人柄を知れば、誰もがファンになることは間違いない。しかし、なるとしさんのことを知らない集団の中へ単身飛び込むのは無謀であることも、また間違いない。

しかし、なるとしさんは「周りの人々を巻き込んで助けてもらえる」能力に長けている。彼の真摯に相手に寄り添う姿や欠点を認めて隠さない生き様に、いつしかたくさんの人々の縁が引き寄せられてしまうのだ。単身チャレンジであったはずが、いつの間にか「なるとしさんの挑戦を応援したい！」「ZEPPのステージという夢を一緒に目指したい！」という仲間たちを巻き込み、予選を進むにつれ新しい応援者も引き込み始めている。

セミファイナル、そしてファイナルの舞台でも、なるとしさんとともに楽しんでいる仲間たちの姿が、OTONOVAの真の醍醐味なのであろう。