音楽には、ときに魂の宿ることがある。

これだけ感受性が鋭ければ、生きることはどれだけ苦しかろうと思う彼、池田骨ノ助は、傷だらけで生き抜いてきた半生を文字どおり音楽に昇華させている。その歌には、きわめて純度の高い魂が紛れもなく宿っている。

本人の「悲劇を喜劇に」との言葉どおり、破壊力満点のコミカルな楽曲から、思わず涙の溢れるやさしく温かく聴く者を包み込むバラード、弱い立場に置かれた者が理不尽に傷つけられる現実社会への怒りと悲しみの熱く込められた楽曲と、彼の音楽が描き出す世界は広く、深い。

楽曲だけではない。ロックバンド揃いのブッキングライブにて、アコギ1本で他を圧倒するパフォーマンス。その熱量は桁外れだ。

骨になっても助ける、という意味が込められているという芸名。池田骨ノ助の歌には、荒んだ世界を必死で生きようと藻掻く孤独な命を救う力が、きっとある。