正直に言うと、「ファンを増やしたい」というテーマを聞いたときは、今どきのSNS戦略や派手な売り方の話が中心なんじゃろうと思っとったんよ。でも実際になかちーさんの話を聞いてみて、その予想はいい意味で裏切られた。数字よりも、人との向き合い方を大切にする話が多くて、胸に残る内容じゃった。

特に印象に残ったのは、ファンを「結果」として捉えるんじゃなく、「過程の中で自然に生まれる存在」として語られていたところじゃね。長く活動しとる人ほど、近道を探したくなるもんじゃけど、なかちーさんは、回り道に見えることこそが一番の近道になることもある、そんな空気を持っとった。

発信についての話も、若い人だけじゃのうて、長く何かを続けとる人間にも響く内容じゃった。無理に自分を大きく見せんでもええ、自分の言葉で、自分のペースで続けること。それを積み重ねることで、ちゃんと届く人には届くんじゃ、という話は、経験を重ねてきたからこそ重みがあったように思う。

また、ファンとの距離感について語られとったのも印象的じゃったね。応援する側もされる側も、人と人じゃけぇ、近づきすぎるとしんどくなることもある。その線引きを意識することが、長く続ける秘訣じゃという話には、思わずうなずいてしまった。

このイベントを通して感じたのは、「ファンを増やす」という言葉の裏には、「自分自身をどう扱うか」という問いが隠れとるいうことじゃ。なかちーさんの話は、派手さはないけど、地に足がついとって、後からじわじわ効いてくる。若い人にも、長く活動しとる人にも、どちらにも刺さる内容じゃったと思う。こういう話が聞ける場は、ほんまに貴重じゃね。