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OTONOVA2026【FINAL】
開催日: 2026/02/08
日本のインディーズシーンが持つ底力を、これほどまでに濃密に体感できる日は他にないでしょう。全国から選りすぐられた12組のアーティストが、自らの音楽的アイデンティティを証明するために集結した「OTONOVAファイナル」。この日の会場を支配していたのは、単なるコンテストの緊張感ではなく、一音にすべてを賭ける表現者たちの凄まじいまでの執念でした。ジャンルが移り変わるたびに、会場の空気の粒子が入れ替わるような、極めて刺激的な時間が流れていました。
序盤から会場の空気を一気に掌握したのは、HIKOUKIが放つ重厚で熱いロックサウンドでした。渋みのある独特の質感が、ステージの温度をじりじりと引き上げていく様子は圧巻の一言。その熱を鮮やかなコントラストで受け継いだのが、なるとしのパフォーマンスです。美しいピアノの旋律がロックの衝動と絶妙に混ざり合い、どこか哀切を湛えた繊細な世界観が、観客一人ひとりの心の奥底へと深く静かに染み渡っていきました。
さらに、このファイナルの多様性を象徴していたのが、アイドルグループの躍動です。ポップで可愛らしいエネルギーを爆発させ、場内を一瞬にして多幸感あふれる色彩に塗り替えたちあもあ!の皆さん。一方で、FandLはクールで攻撃的なまでのスタイルを貫き、最後列の観客までを射抜くような圧倒的な声量と力強いパフォーマンスで、アーティストとしての「強さ」をまざまざと見せつけました。
後半戦、会場の期待を一身に背負って登場した川原光貴さんの存在感も、やはり特筆すべきものでした。準グランプリという結果以上に、その優しくも力強い声が届けるメッセージは、会場全体の孤独や不安を優しく肯定し、明日への一歩を後押ししてくれるような、深い慈愛に満ちていました。また、YouKeyさんの甘く情熱的な歌声や、NAO ANNO(安納なお)さんの唯一無二のオーラ、そしてトップバッターを務めたナチュラルキラーズの完成されたファンク・グルーヴ。そのどれもが、この祭典を構成する欠かせないピースでした。
12組それぞれが、自身の音楽という旗を高く掲げ、その美学を貫き通したこの一日。順位という枠組みを超えて、ステージから放たれたあの熱い波動こそが、音楽の未来を明るく照らしていくのだと確信させてくれる、あまりにも贅沢で希望に満ちたフィナーレでした。
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