「Make a Story～アーティスト戦略会議～『ファンを増やしたい』」に参加し、ゲストとして登壇されたなかちーさんのお話を伺いました。今回のイベントは、音楽活動における発信やファンづくりについて考える場でありながら、表面的なノウハウだけではなく、アーティストとしての在り方や覚悟に深く触れる内容だったと感じています。

なかちーさんは、幼少期から音楽に親しみ、エレクトーンやピアノ、合唱、バンド活動と、長い年月をかけて音楽と向き合ってきた方です。その経験があるからこそ、音楽が単なる表現手段ではなく、自身の人生を支えてきた存在であることが、語られる言葉一つひとつから伝わってきました。音楽に救われた過去があるからこそ、今度は自分の音楽で誰かを支えたいという想いには、強い説得力があります。

「ファンを増やす」というテーマについても、なかちーさんは数字や流行だけにとらわれない考え方を示してくれました。特に印象に残ったのは、「自分の音楽を必要としてくれる人に、どうすればちゃんと届くのかを考えることが大切」という言葉です。無理に多くの人に向けるのではなく、届けたい相手を明確にし、その人の心に残る表現を続けていくことが、結果としてファンにつながっていくという考え方は、多くの参加者にとって大きな気づきになったのではないでしょうか。

また、社会人バンドの解散を経て、ソロとして本格的に音楽活動を始めた経験についても率直に語られていました。順調な道のりではなかったからこそ、自分自身と向き合い、何を伝えたいのかを改めて見つめ直した過程が、現在の活動につながっていることがよく伝わってきました。TikTokでの発信においても、キャッチーさとオリジナリティを両立させる姿勢は、今回の戦略会議の内容を体現しているように感じます。

今回のイベントを通して、ファンを増やすことは目的ではなく、自分の物語を誠実に届け続けた先に生まれる結果なのだと実感しました。なかちーさんの言葉と姿勢は、これから活動を続けていく多くのアーティストにとって、確かな指針となるものだったと思います。