【予選B-1】のラインナップも見た。 このB-1ブロックは、またAブロックとは毛色が違い、非常に多様なアーティストが集まっているようだ。こういう「ごちゃ混ぜ感」こそ、今の音楽シーンの面白さなのだろう。

まず、私の興味を引いたのが「appliqué」というグループだ。 失礼ながら、お名前や写真から察するに、いわゆる「アイドルっぽい」グループなのだろう。 正直、私の好み（美しいメロディと歌声）とは、少し縁遠いか…と最初は思った。 しかし、彼女たちの楽曲を聴いて、その考えは改めさせられた。 なんと、楽曲が、打ち込みのシンセサイザーではなく、非常に「生感のあるバンドサウンド」で構成されているではないか。 そこが実に面白い。 アイドルという「見た目」の魅力に、我々のようなギターロックを好む層にも響く「バンドサウンド」を組み合わせる。これは非常にクレバーな戦略だし、何より、私（元ギター経験者）としては、楽器の音がしっかり聴こえる音楽は、それだけで好感が持てる。このアンバランスな魅力が、どう評価されるのか、楽しみだ。

そして、もう一組、強烈な個性を放っていたのが「MAUDIE featuring Shingo Matsuda」だ。 こちらはまた、appliquéとは全く違う方向性だ。 ミュージックビデオは「チカチカするような色味」で、サイケデリックとさえ言える。 そして、楽曲や歌い回しが、どこか「コミカルなよう」で、一筋縄ではいかない。 正直なところ、私が好む「しっとりとしたメロディ」の対極にあるかもしれないが（笑）、こういう「遊び心」や「既存の枠に収まらないぞ」という気概も、音楽の持つ大切な力だ。

このB-1ブロックは、まさに「多様なアーティストが一挙に見られる」という、Mudiaのイベントの「醍醐味」が詰まったブロックと言えるだろう。 アイドルソングの皮を被ったバンドサウンド、コミカルで前衛的なアート。 私の好みだけで言えば「appliqué」のバンドサウンドに注目したいが、こういうカオスな中から、全く予想もしなかったスターが生まれるのかもしれない。それを見届けるのも、また一興だ。