素敵な時間でした
歌降る夜 vol.9
開催日: 2025/12/10
この日の「歌降る夜」は、静かに音楽が降り積もっていくような時間だったと感じています。
大きな演出や派手な仕掛けがあるわけではなく、それぞれの出演者が持つ音楽と向き合う姿勢が、そのまま空間に表れていたような夜でした。
評価するというより受け取ることに集中できる、落ち着いた雰囲気が印象に残っています。
出演者それぞれに異なる表現があり、ジャンルやスタイルに違いはあっても、共通していたのは「今の自分の音楽を丁寧に届けよう」という姿勢でした。
他の出演者さん達のパフォーマンスにも、その人なりの積み重ねや背景がにじんでいて、短い時間の中でも一人ひとりの存在感を感じることができました。こうした並びの中で音楽を聴けること自体が、このイベントの魅力だと思います。
その中で、NAO ANNOさんのステージは、とても自然体だったのが印象的でした。力を入れすぎることなく、音と声が素直に前へ出てくる感覚があり、無理に盛り上げようとしない分、言葉やメロディが静かに心に残るように感じました。
長く音楽と関わってきたからこそ出てくる余白や、歌うことへの落ち着いた向き合い方が、空間全体に馴染んでいたように思います。
また、歌い手としてだけでなく、音楽に携わる人としての幅が自然に伝わってくる点も印象的でした。
表に出すぎることはなくても、積み重ねてきた経験が、声の出し方や間の取り方に表れていて、聴いている側も安心して音楽に身を委ねられる感覚がありました。
「歌降る夜」は、誰か一人を強く際立たせるイベントではなく、出演者全員が同じ夜を作っていく場だと感じています。
その中でNAO ANNOさんの音楽は、全体の流れを整え、静かに支える存在として機能していたように思います。他の出演者の個性を尊重しながら、自分の表現をきちんと置いていく姿勢が、このイベントの空気ととてもよく合っていました。
派手さよりも誠実さが残る夜であり、音楽と向き合う時間として、とても心地よいイベントだったと感じています。
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