最高☺️
【バラード部門 全国決勝】Acappella Grand Slam コロシアムリーグ
開催日: 2025/12/14
技術の粋を集めた精鋭たちが集う中、早稲田大学StreetCornerSymphony所属の「映し音」が残した余韻は、まさに一本の名作映画を鑑賞した後のような、静かでありながら深い感動を伴うものでした!
彼らが掲げる「映画の世界観を音に代えてお届けする」というコンセプトは、単に劇中歌をカバーすることに留まりません。それは、その作品が持つ光彩、空気の湿度、そして登場人物の語られない心情までもを、声という楽器だけで描き出す極めて芸術的な試みです。楽器を一切持たないアカペラという形態だからこそ、彼らの紡ぐハーモニーは聴き手の脳裏に鮮やかな映像を映し出します。目を閉じれば銀幕のドラマが広がり、目を開ければ彼らの表情豊かな歌声が心に染み渡る。その圧倒的な没入感は、成熟した感性を持つ大人のリスナーにこそ響く、非常に贅沢な音の体験でした。
名門サークルで培われた確かな技術力は、もはや説明不要かもしれません。しかし、それ以上に印象的だったのは、音と音の間に漂う「間」や、繊細なブレス一つひとつにまで込められた物語性です。バラードという、ごまかしの利かないジャンルにおいて、彼らは「静寂」さえも映画の重要なシーンの一部として見事に操っていました。一音ごとに情景が切り替わり、ハーモニーが重なるたびに感情の振幅が大きくなっていく。その緻密な構成力と表現力には、深い敬意を覚えずにはいられません。
「映し音」という名が示す通り、彼らは音を通じて私たちの心に忘れがたい情景を映し出してくれました。学生という枠組みを超え、一つの完成された表現者として大舞台に立つその姿は、アカペラの新たな可能性を力強く証明していました。全国決勝という極限の緊張感の中で、彼らが示した「音で描く映画」の世界。その美しい旋律は、エンドロールが流れた後も長く人々の記憶の中で輝き続けることでしょう。素晴らしい物語を共有できたことに心から感謝いたします。
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