京都発、Kai-Koh
【予選B-4】水都音楽祭2026 オンラインオーディション
開催日: 2026/08/01
古都・京都という言葉から連想する景色と、Kai-Kohが鳴らす音。その二つを並べてみると、意外なようでいて、どこか納得させられるものがあります。
京都発の2人組、Kai-Koh。彼らが向き合っているのは、単純なジャンルの再現ではありません。オルタナティブ・シンセポップを軸にしながら、YMOやJapanなどから受け取った電子音楽の感覚を取り込み、さらに映画から得たイメージまでサウンドへ落とし込む。過去の音楽をそのまま振り返るのではなく、自分たちの感性を通して現在の音へ組み替えているところに、Kai-Kohという存在の面白さがあります。
その輪郭を知るうえで重要なのが、2026年1月に発表された『Kai-Koh』です。収録されているのは「Dog Sees God」「Bamboo」「Unraveling」「Hitoribocchi」の4曲。初期デモをまとめた作品ということもあり、ここには「完成されたKai-Koh」というより、これから形を変えながら広がっていく可能性が詰まっています。
シンセを中心に構築される音は、電子的でありながら冷たさだけに支配されてはいません。むしろ印象に残るのは、音と音の間に存在する余白です。どこか映像作品のワンシーンを思わせるような空気があり、聴く側の想像力によって景色が変わっていく。ポップという入り口を持ちながら、その奥にはオルタナティブやニューウェーブ的な質感が潜んでいます。
そして、Kai-Kohを京都発という視点から見ると、さらに興味深くなります。伝統や歴史が語られることの多い街から、電子音を使い、映画的な感覚をまとった新しい音が生まれている。古いものと新しいものが同じ街に存在する京都だからこそ、過去から影響を受けながら、それをそのまま再現せず、別の形へ変換していくKai-Kohの姿勢がより際立つのかもしれません。
もちろん、現時点でKai-Kohを決めつける必要はありません。むしろ、まだ決まり切っていないからこそ面白いのです。これから作品を重ねる中で、シンセポップの世界をさらに深く掘り下げるのか、オルタナティブな方向へ広げていくのか、それともまったく別の表情を見せるのか。今はその変化を楽しめるタイミングです。
京都から始まったKai-Koh。歴史ある街のイメージとは少し違う、電子的で映像的なサウンドを携えながら、まだ見ぬ場所へ進もうとしています。
『Kai-Koh』は、その旅の最初に置かれた4曲。だからこそ、今聴いておく意味があります。
京都発、Kai-Koh。まだ名前を知る人が限られている今だからこそ、その音に触れて、その先を想像してほしい。これから作品を重ねるたびに、彼らがどんな世界を描いていくのか。新しい音を探している人にこそ、ぜひ注目してほしい2人組です。
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