Load of Dreams
LiveHouse カナデミア ×OTONOVA 予選A
開催日: 2025/09/28
俺は普段、オフィスビルの夜勤で働く警備員だ。仕事は単調だし、深夜の静けさに負けて気持ちが沈むこともある。そんな時に聴いたのが、矢吹洋海さんの「Load of Dreams」だった。タイトルを見たときは「夢への道か…俺にそんなものあるのか?」なんて思ったが、曲が流れ出した瞬間に心を掴まれた。
歌詞には「モノクロの景色」とか「昨日との違い」といったフレーズが出てくる。これはまさに俺の日常そのものだ。毎晩同じ時間に巡回して、モニターを見つめて、トラブルがないか確認する。正直、灰色の繰り返しだ。でもこの曲を聴くと、不思議と「それでも歩いているんだ」という肯定感が生まれてくる。矢吹さんの声が、無理に励ますわけじゃなく、淡々と、でも確かに温かく響くからだ。
特にいいのは、曲の“余白”。音でぎゅうぎゅうに詰め込まれていないから、ビルの深夜の静けさや自分の足音と混ざり合う。その空間に歌声が重なると、まるで俺の仕事の景色までもが音楽の一部になったように感じるんだ。
「夢を追いかける」というと若い人のものに思えがちだが、この曲は違う。迷ったり立ち止まったりすることも、夢に続くロードの一部なんだと教えてくれる。俺のように夢を見失いかけた人間にとっても、その言葉はちゃんと響いてくる。
だから俺は夜勤の休憩中、スマホにイヤホンを挿して「Load of Dreams」を繰り返し聴いている。単なる警備の夜が、この曲のおかげで少し特別に思える。矢吹洋海さんの歌は、俺にとって“夜を見張るもう一人の相棒”なんだ。
レビューやコメントを投稿するとギフトがもらえる!
ログインしてコメントする


