彼らがステージに現れた瞬間、空気が変わったのを感じました。それは、かつて数万人の観客を熱狂させたロックスターたちが持っていた、あの圧倒的な「華」です。 1970年代から80年代にかけてのスタジアムロックを彷彿とさせる佇まいは、決して過去の模倣ではありません。多様な音楽的ルーツを咀嚼し、今の時代の空気感で再構築されたそのサウンドは、懐かしさと同時に、今のシーンが必要としている「正統派の力強さ」に満ちていました。

BEREDさんの楽曲の素晴らしさは、一聴して耳に残る「聴きやすさ」にあります。複雑なギミックに頼ることなく、良質なメロディとリフで真っ向から勝負する。これは、作曲センスへの絶対的な自信がなければできないことです。 そして、その楽曲群に命を吹き込むのが、確かな技術に裏打ちされた演奏力と、艶やかで力強い歌声です。歪んだギターの響き、タイトなリズム隊、そして会場の隅々まで突き抜けるボーカル。これらが三位一体となり、ライブハウスをスタジアムへと変えるほどのスケール感を生み出していました。

エマージェンザという、観客の反応が直接結果に結びつくシビアな舞台において、彼らの「誰が聴いてもカッコいい」と言わせる音楽性は、大きな武器となっていました。 ロックとは、本来こうして人々の心を解放し、拳を突き上げさせるものだった――。そんな根源的な喜びを思い出させてくれる、素晴らしいパフォーマンスでした。

BEREDの皆さん。予選第1戦という緊張感の中で、あれほどまでに堂々とした「ロックの真髄」を見せてくれたことに感謝します。 この王道スタイルが、東京、そして日本を越え、ドイツの地で鳴り響く日を、私たちは本気で信じています。これからの戦いも、その輝きを失わずに突き進んでください。心より応援しております！