熱気がすごかった
エマージェンザ・ジャパン2026東京予選第1戦
開催日: 2025/12/13
BEREDさんが会場に入った瞬間から、この日の予選がただのライブではないことはすぐに伝わってきました。
演奏前のざわつき、転換中の張りつめた空気、客席の視線の鋭さ。
どのバンドにもチャンスがあり、同時に一瞬の油断も許されない、そんな独特の緊張感がありました。その流れの中で登場したのがBEREDさんでした。
音が鳴り出した瞬間、空気が一段引き締まったのを感じました。派手な演出や奇をてらった展開ではなく、真正面からロックを鳴らしてくるスタイル。それが逆に、この白熱した予選の場では強い存在感を放っていました。
余計なものを足さず、音と演奏で勝負している姿勢がはっきりと見えました。
楽曲はとても聴きやすく、初めて聴く人でも自然と体が反応してしまう流れがあります。それでいて軽く流れてしまうことはなく、随所にロックの芯が感じられました。過去のロックシーンを思い出させるような王道感がありつつも、懐かしさだけに寄らない今の音として成立していたのが印象的です。
演奏面でも安定感があり、予選という緊張感の中でも音がぶれないのは大きな強みだと感じました。リズムが前に出すぎることもなく、歌を邪魔することもない。
そのバランスがとても良く、曲全体がスムーズに流れていきます。会場の反応も徐々に熱を帯びていき、演奏が進むにつれて集中度が高まっていくのが分かりました。
BEREDのボーカルの歌声も印象的で、力強さの中にしっかりとした輪郭がありました。感情を過剰に乗せるのではなく、曲の持つ勢いをまっすぐに届けてくるため、聴いている側も構えずに受け取ることができます。
スタジアムで鳴っていたロックの時代を思わせる空気感があり、予選会場でありながらスケールの大きさを感じました。
この日の予選は、個性の強いバンドが多く、どこで印象を残せるかがとても重要だったと思います。その中でBEREDさんは、流行や装飾に寄らず、ロックそのものの力で勝負していました。その姿勢が、白熱したムードの中でしっかりと際立っていたように感じます。
短い持ち時間の中でも、音楽の方向性と強みがはっきり伝わるステージでした。予選という厳しい場で、この安定感と存在感を見せられるのは簡単なことではありません。この日の演奏は、会場の熱気の一部として強く記憶に残るものでした。
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