ダークアイドルでの惜敗からさらにパワーアップした木下真佑がOTONOVAに挑戦する．その青髪にまず目をとられる彼女であるが，その真の魅力は歌唱にある．彼女の歌唱はパワフルで高音の伸びが魅力であり，誰もが彼女の歌の世界に引き込まれていく．ハイトーン・ロングトーンで聴く者をとりこにし，まるで麻薬のように再び彼女の歌唱を聴きたくなるように聴衆を真佑ワールド誘っていく．

それだけではない．パワフルでハイテンポな楽曲だけではなく，スローバラードでも彼女の魅力をいかんなく発揮する．静と動，寂と賑，相対するカテゴリーの双方で心地よいサウンドを紡ぐことができる．それが彼女の真の魅力である．実際に彼女のオリジナル曲はアップテンポのリズミカルな楽曲から心に浸み込んでいくバラードまで豊富なラインナップをもっている．人気ナンバーワンの“Blue sky blue”はリズミカルで心地よいメロディに彼女の才能が凝縮されたリリック，聴いているうちにいつの間にか口ずさんでしまう楽曲である．バラード曲“Clumsy love”は誰もが一度は経験するであろうアンバランスでぎこちない恋を彼女独特のリリックで歌い上げる．言葉で述べるより実際に聴いていただくのがベストであろう．彼女のオリジナル曲はすべてYouTubeにアップされており，予選が始まるまでに一度聴いて欲しい．きっとファーストインプレッションの青髪から彼女の真の魅力に気づかれると思う．

私が好きな楽曲“ともに”は彼女の楽曲としては数少ない日本語タイトルの楽曲で，何かの目標に向かって進むとき，「ひとりではない．ともに歩んでいこう」という応援歌として力をもらえる楽曲である．私の中ではこの楽曲をOTONOVAでのテーマ曲という位置づけにしており，この曲と“ともに”彼女を応援していきたい．