川原光貴さんのソロライブ『Hikikatari vol.15』の開催、本当におめでとうございます。今回で15回目を数えるこのシリーズは、川原さんが一歩一歩、聴き手との対話を積み重ねてきた証であり、彼を支持するファンにとっても、自分の心と静かに向き合える大切な「居場所」になっているのではないでしょうか。回を重ねるごとに深みを増していくこのステージは、もはや単なるライブという枠を超え、多くの人にとって生活の句読点のような、なくてはならない存在になっていると感じます。

弾き語りというスタイルは、誤魔化しが一切きかない、表現者の真価が問われる非常にストイックなステージです。川原さんの歌声には、力強さの中にもどこか包み込むような優しさがあり、その一音一音が会場の空気を丁寧に紡いでいきます。日々の仕事や役割に追われ、ふと自分の感情を置き去りにしてしまいがちな私たち大人にとって、彼の真っ直ぐな言葉と旋律は、乾いた砂に水が染み込むように心を満たしてくれます。派手な演出がなくても、楽器一つと声だけでこれほどまでに豊かな情景を描き出せるのは、彼が日々の生活の中で感じた喜びや葛藤を、誠実に音楽へと昇華させてきたからに他なりません。

「vol.15」という数字には、継続することの難しさと、それを成し遂げてきた表現者としての矜持が感じられます。15回という節目を迎え、これまでの活動の集大成を見せつつも、さらにその先にある「新しい川原光貴」の片鱗を見せてくれるのではないかという期待に、今から胸が高鳴ります。長く続けてきたからこそ生まれる聴き手との信頼関係、そしてその時々の空気感を捉える柔軟な感性は、このシリーズを大切に育ててきたからこそ得られた唯一無二の財産でしょう。

このライブが、川原さんにとっても、そして足を運ぶすべての人にとっても、明日を生きるための静かな、けれど確かな糧となることを願っています。照明が落ち、最初の一音が鳴り響くその瞬間から、日常の喧騒を忘れさせるような最高の音楽の旅が始まることを信じています。川原さん、あなたが紡ぐ「物語」の続きを、私たちはこれからもずっと楽しみにしております。どうか、あなたらしい温かくて熱いステージを届けてください。心からの敬意を込めて、全力で応援しています！