梨駆さん、2次予選通過、本当におめでとうございます。

結果を知ったとき、派手に驚いたというより、「ああ、やっぱりなぁ」と静かにうなずいてしまいました。それは決して上から目線ではなくて、ここまで積み重ねてこられた時間を思うと、とても自然な流れに感じられたからです。

音楽を始めたきっかけや経歴だけを見ると、とてもスピード感があるように見えるかもしれません。でも、梨駆さんの作品から伝わってくるのは、急いで前に出ようとする気持ちよりも、「ちゃんと考えながら進もう」とする落ち着きです。

人生観や生きる意味という大きなテーマを扱いながらも、言葉がとても身近で、聴く人の生活のすぐそばに置いてくれる。その距離感が、とてもやさしいなと感じます。

オルタナティブロックという音楽性の中に、尖りすぎない温度があって、強く引っ張るのではなく、隣に座って同じ方向を見るような感覚があります。

「分かってほしい」と叫ぶのではなく、「分からなくても、ここにいていいよ」と伝えてくれる音楽。その姿勢が、聴く人の心を自然とほどいてくれるのだと思います。

生きていると、自分の考えや感情を言葉にできない日がたくさんあります。頑張っているのに報われないと感じる日もあるし、意味を探すこと自体に疲れてしまうこともあります。

梨駆さんの音楽は、そういう時に無理に立ち上がらせるのではなく、「今日はそのままで休もうか」と声をかけてくれるように感じました。

2次予選通過という結果は、評価であると同時に、信頼でもあると思います。派手さよりも誠実さを選び、言葉を大切にし続けてきた姿勢が、ちゃんと届いた証です。今はまだ気づいていなくても、梨駆さんの音楽に救われている人は、きっと少しずつ増えていくはずです。

これから先、迷いながら進む時間も、立ち止まる瞬間もあると思います。でも、その全部が音楽になっていくんじゃろうな、そんな気がします。焦らんでええ。今の歩幅のままで、十分に美しいです。

改めて、2次予選通過、本当におめでとうございます。

これからも、そっと背中を見守らせてくださいね。