「歌降る夜 vol.9」は最初から詳しく知っていたイベントではありませんでした。

ただ出演者を眺めている中で、なんとなく名前が気になって、そこから折世麻里さんの存在を知りました。

深く調べたわけでもなく、知識も多くない状態でしたが、歌を聴いた瞬間に「この人の声、なんだか心に残るな」と感じたのを覚えています。

折世麻里さんの歌は、無理に感情を押し出すタイプではないのに、不思議と耳から離れませんでした。

声の強さではなく、言葉の置き方や息づかいのような部分が丁寧で、聴いている側が自然と歌の中に入り込めるような感覚がありました。

素人ながらに、歌が上手いというより「ちゃんと伝えようとしてくれている」と感じられたことが印象に残っています。

この日のイベントは、折世麻里さんだけでなく、他の出演者の方々もそれぞれに個性がありました。

祈世麻里さんの感情表現、ナガセリアさんの世界観、DALさんの落ち着いた雰囲気など、誰か一人だけが目立つというより、それぞれの音楽が丁寧に並んでいるような時間でした。

ただ、その中でも折世麻里さんの歌は、イベント全体の空気にすっと溶け込みながら、静かに存在感を放っていたように思います。

大きなインパクトではなく、聴き終わったあとにじわっと残る余韻。その余韻が、今でも心に残っています。

音楽に詳しくない自分でも、「また聴きたい」と思えたことが何よりの答えだと思います。歌降る夜 vol.9は、素人の自分にも音楽の良さをちゃんと届けてくれた、そんなイベントでした。