多くのアーティストが派手なパフォーマンスや強いメッセージを打ち出す中で、Soo。さんの音楽は少し違う場所にいるように感じます。それは、無理に背伸びをせず、等身大の自分でステージに立っているような、そんな自然な佇まいをされているように感じました。

Soo。さんのプロフィールには「ジャンルにとらわれず、心の奥にある葛藤や温もりを音楽に変える」とあります。実際に曲を聴いていると、それが単なるキャッチコピーではないことが分かります。特定の型にはまろうとするのではなく、その時々の感情をそのまま音に落とし込んでいるからこそ、聴いている側も構えずに耳を傾けることができました。

名古屋を拠点に地道にライブを重ねてきた活動は、決して派手なスポットライトばかりではなかったかもしれません。でも、だからこそ彼女の音楽には、生活の匂いや、私たちが日々感じているちょっとしたモヤモヤ、そして小さな幸せがリアリティを持って宿っています。「記憶や感情に寄り添う」という目標も、誰かを無理やり励まそうとするのではなく、「私も同じように悩んでいるよ」と隣で呟いてくれるような、そんな程よい距離感を感じさせてくれます。

正直に言えば、世の中にはもっと刺激的で、一瞬で耳を奪うような派手な音楽はたくさんあります。でも、ふとした瞬間に思い出すのは、Soo。さんのような、さりげなく日常に溶け込んでくる音楽だったりします。派手さはないかもしれないけれど、一度聴くと耳に残る。そんな不思議な魅力があります。

今回のセミファイナルという大舞台。どうしても「勝負」という側面が強くなり、気負いすぎてしまう場面も多いはずです。でも、Soo。さんには、これまで名古屋のライブハウスで一人ひとりに届けてきたように、いつも通りの彼女のままで歌ってほしいなと思います。激しい競争の中でも、彼女の持つ「温もり」や、時折見せる「心の葛藤」をありのままに表現してくれたら、それが一番彼女らしいステージになるのではないでしょうか。

同じように悩み、葛藤し、それでも音楽を通して前を向こうとする「人間・Soo。」の姿に共感し、応援したくなるのです。このセミファイナルを通して、さらに多くの人が音楽に触れ、それぞれの記憶とリンクしていく。そんな光景を見たいと思っています。

ファイナルへの道は簡単ではありませんが、Soo。さんの音楽が持つ「寄り添う力」は、きっと多くの人の心の隙間に届くはずです。気負いすぎず、でも着実に。名古屋のライブハウスから始まったこの歩みが、Zeppという大きな舞台へと繋がっていくことを願っています。

いつも通りのSoo。さんで。その声が、また誰かの日常の一部になることを信じて、今回のセミファイナルも応援させていただきます。頑張ってください！