私がなるとしさんと実際にお会いしたのはほんの数回、ご挨拶程度の立ち話なのですが、画面越しやSNSなどもあって、交流する度にほんとに素敵な方です。

こまってる人、生きづらさを感じてる人を優しく包んでくれるんです。ご本人も「生きづらさを癒したい」って公言して活動してらっしゃいますが、その言葉がぜんぜん嘘っぽくない。むしろ、あのやわらかい声と雰囲気を見てると、「ああ、この人はほんとにそう思って活動してるんだな」って自然に伝わってきます。

心の中のぎゅっと固まってた部分を、ゆっくりほどいてくれるような話し方、歌い方をされるんです。決して押しつけがましくなく、「しんどいよね」「わかるよ」って、隣に座ってくれる感じ。こちらのペースに合わせてくれるというか、感情の温度に寄り添ってくれるというか。だから、疲れてるときにふっと聴きたくなる。

なるとしさんの歌はご自身のこれまでの経験を元に、過去の辛かった自分を癒すように作られているからか、誰かを勇気づけようと無理して前向きなことを書いてるんじゃなくて、「つらい時はつらいって言っていいよ」「うまくできない自分を責めすぎなくていいんだよ」みたいな、等身大で、優しさの温度がちょうどいい言葉で。そういう姿勢がにじみ出ていて、聴いてる側としては『説得』じゃなくて『共感』として伝わってきます。

個人的に一番魅力だと思うのは、なるとしさん自身が「癒す側だから強くあらねば」みたいに気負っていないところ。むしろ、弱さや迷いを隠さずに表現してくれるからこそ、「この人の歌なら信じられる」と感じられるのではないでしょうか。完璧じゃない人が、誰かの痛みにそっと手を伸ばしてくれる。その姿こそが、なるとしさんのいちばんの魅力なんじゃないかなと思います。

だからこそ、なるとしさんの歌はただの音楽を超えて、『居場所』みたいな役割を果たしてるんだと強く感じます。「今日もちょっとしんどかったな」という日の、深呼吸みたいな存在。そんなふうに、静かに、でも確かに、聴く人の心を癒してくれるのがなるとしさんの最大の魅力だと思うので、是非聴いてみてください。