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清らかな夜を。

あさがやドラム【東京】 宮瀬悠希橘真衣いまいりさ

Mpaxx/Mudia×あさがやドラム『女性シンガーイベント Cantarella~カンタレラ~』

開催日: 2026/03/18

阿佐ヶ谷という街の地下には、時折、現実の重力からふっと自由になれるような、純度の高い表現の磁場が現れます。あさがやドラムという親密な場所で産声を上げる「Cantarella~カンタレラ~」は、まさにそんな一瞬の奇跡を求めて集う、五人の表現者たちの呼吸が聞こえる夜になるでしょう。


今回の企画において、空間に洗練された秩序をもたらしているのは、いまいりささんが持つ作り手としての圧倒的なバランス感覚です。新潟を拠点に楽曲制作から演出までを多角的に手掛ける彼女。その最大の特徴は、自らを客観的な素材として捉えつつ、現場全体の温度感をコントロールできる高いプロデュース能力にあります。そんな彼女が描くクリエイティブな旋律に、声という究極の楽器を操る橘真衣さんの存在が重なったとき、ステージの解像度は一気に跳ね上がります。橘真衣さんが日々の研鑽で磨き上げてきた、ナレーションや演劇という領域での「言葉を届ける力」。それがメロディという翼を得て、聴き手の脳裏に鮮やかな色彩の物語を映し出していく。


一方で、会場の空気を物理的に揺らすのは、路上ライブという最も厳しい現場で一歩ずつ自分の居場所を勝ち取ってきた、二十一歳のやのちーずさんの「生の咆哮」に他なりません。そこに、元AKB48という眩い景色を過去のものとし、数々の大舞台を経験した今井優さんの、気高くも誠実なピアノの旋律が静かに寄り添う。連日の配信活動で培われた、泥臭いまでのファンへの向き合い方が、彼女の指先から零れる一音一音に、目に見えないほどの「重み」を与えている事実は、誰の目にも明らかです。さらに、宮瀬悠希さんが持つ知的な表現力が加わり、五者五様の「光」が阿佐ヶ谷の夜を塗り替えていく。


この五人が一晩だけ声を重ねる奇跡。それは予定調和を拒むような、表現者たちの心地よい緊張感に満ちています。背景もキャリアも異なる彼女たちが、あさがやドラムという一つの焦点に集まり、自らの魂を歌に乗せる。その瞬間を目撃できる幸せを噛みしめながら、最後の一音が消えた後に広がる温かな余韻を、私は今から静かに待ち侘びています。

投稿者

ymko

2026/02/15 19:00

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