予選C-2ブロックのラインナップも、おもしろそうですね。
中でも、ひときわ異彩を放ち、私の目を引いたのが「TALL TALE」というバンドです。
女性ボーカルのメタルバンドのようで、正直なところ、私が普段好んで聴くジャンル（吹奏楽やオーケストラ、穏やかなポップス）とは少し離れています。

しかし、公開されていた動画を見て、その認識は完全に覆されました。 まず、ボーカルの方の存在感が圧倒的です。
一見して、海外の方なのだろうかと思うような華やかな容姿ですが、それ以上に「声」がすごい。 あれだけ重厚で音圧の強い「メタルサウンド」のアンサンブルに、一歩も負けていない。それどころか、その重いサウンドを「乗りこなし」、バンドの先頭に立って全体を牽引している。 まさに「フロントマンとは、こういう方のことを言うのだな」と、ジャンルを超えて感服させられました。
日本語の歌詞も非常に明瞭で、技術的な確かさを感じさせます。

そして、アンサンブルそのものも、ただ激しいだけではないのが素晴らしい点です。 サウンドは紛れもなく「ヘヴィ」なのですが、その上で奏でられている「歌のメロディ」が、非常に綺麗で聴きやすい。 ともすれば、楽器隊の技術的な見せ場ばかりになりがちなジャンルにおいて、TALL TALEは「歌」を、そして「曲の美しさ」を何より大切にしていることが伝わってきます。 この「ヘヴィでありながらキャッチー」というバランス感覚は、メタルに馴染みのない若い子たちにも、きっと広く受け入れられるのではないでしょうか。 吹奏楽でも、難解な現代曲より、皆が知っているポップスを壮大にアレンジした曲が喜ばれるのに似ています。 TALL TALEは、専門性と大衆性を見事に両立させた、稀有なバンドだと感じました。