映画『金山雲丹物語』の主題歌オーディション、予選Dブロックを拝見しました。 今回は、疲れた心に染み入るような、優しい言葉とメロディを持ったアーティストさんが多くて、とても癒やされる時間を過ごせました。

一番心に響いたのは、「ウサダイスケ」さんです。 壮大でドラマチックなJ-POPサウンドに乗せて、爽やかだけど熱い歌声が響いてきて。 何より、歌詞に救われました。 「前進だけじゃない立ち止まってもいい。後戻りして無くしたものを探してもいい」。 仕事や生活で、「前に進まなきゃ、成長しなきゃ」と自分を追い込んでしまいがちな私にとって、この言葉は本当に温かくて…。 「ああ、休んでもいいんだ」と、張り詰めていた糸が緩んで、自然と涙がこぼれました。

それから、「寺崎ひな」さんも素敵でした。 美しくも不思議なエレクトロサウンド。 ふわふわとした楽曲の中で、彼女の透明感のある歌声が泳ぐように響いていて。 不思議なコーラスワークも相まって、現実を忘れて夢の中にいるような、心地よい浮遊感に包まれました。 何も考えずに、ただ音に身を委ねていたい時にぴったりの音楽ですね。

「TIDELAND」さんの、大人っぽい雰囲気も魅力的でした。 渋くておしゃれなジャズの音色。艶やかで色気のある歌声なんだけど、どこか母のような「安心感」もあって。 「だから明日は迷わないわ」という歌詞が、迷ってばかりの私の背中を、優しく支えてくれているようでした。

「嘉悦なつ美」さんの楽曲は、2000年代の優しいポップスを思い出させてくれて、懐かしい気持ちになりました。 表情豊かな声で歌われる歌詞も素敵で、昔の大切な思い出が蘇ってくるようでした。

「高山コウヘイ」さんの懐かしむような歌詞や、「和泉屋勘兵衛」さんの年季の入った渋いお声も、心に染みました。

優しく背中を押してくれたり、そっと隣にいてくれたり。 色々な形の「優しさ」に出会えた、素敵な予選でした。