この前のオーディションが妙に心に残っていて、また週末の夜に「Mudia」のサイトを覗いてしまった。相も変わらず、画面の向こうは若い才能と応援する人たちの熱気で溢れている。『オホーツク流氷物語』の主題歌オーディションも、いよいよ次の予選ブロックに移っていた。

今回も、実に個性的な挑戦者が揃っていて驚かされた。特に印象的だったのが、見事一位を勝ち取った、おのっくさんという若いラッパーだ。正直、ラップと聞くとおじさんには少し縁遠い世界なのだが、彼の音楽はすんなりと心に入ってきた。しっとりとした心地よいリズムの上で、優しい声が軽やかに踊っている。けれど、その奥には一本筋の通った力強さも感じる。こういうラップもあるのかと、少し世界が広がった気分だ。

MONONOHUというバンドも良かった。最近の凝った曲もいいが、彼らのようなシンプルでキャッチーなロックは、なんだかホッとする。思わず口ずさみたくなるような親しみやすいメロディで、若い頃を思い出すような懐かしさもあった。こういうストレートな音楽は、いつの時代も良いものだなと思う。

それから、竹内さんというシンガー。お洒落なR&Bというのだろうか、ハスキーで少し色気のある歌声が、夏の終わりの少し寂しい空気にぴったり合う。一人で静かにお酒でも飲みながら聴きたくなるような、そんな大人な魅力があった。

次から次へと新しい才能が出てくるものだなと、感心しきりだ。音楽の形は時代と共に変わっていくが、それに懸ける想いの熱さは変わらないらしい。ファンの方々の応援も相変わらずすさまじく、この一体感こそが今の時代のイベントの面白さなのだろう。さて、この中から誰が映画館に歌声を響かせることになるのか。また少し、楽しみが増えてしまった。