かわむらいさみさんの曲を初めて聴いてから、20年以上が経ちます。

癖になる耳心地(？)の良い曲を繰り返し繰り返し聴いていると、今度は独特に紡がれたことばたちに取り憑かれたように繰り返し繰り返し聴いてしまいます。その意味を自分なりに解釈する頃には、気持ちを動かされ暖かい気持ちになったり、悲しい気持ちになったり、なんと表現すれば良いかわからない気持ちにもなって...。こんなにも人の気持ちを動かせるってすごいなと思います。

例えば、【水てっぽう〜命のバトン〜】では、私は戦争を知りません。だけど、この曲を聴くと胸が締め付けられます。命を捧げる者、その者を送り出す者。この曲を聴くと、知りもしないその世界に連れて行かれ、いったいどんな気持ちだったのかと思いを巡らせる事になります。その者たちの本心を知ることはできないけれど、想像して辛かっただろうな、その者たちの上に現代の私たちの暮らしは成り立ってるんだな。なんて真面目に考えたりして。

例えば【エビフラワー】では、母に感謝の気持ちを伝えたくなります。１枚の写真と、何気ない日常が、私の勝手な想像でかわむらいさみ少年をイメージさせます。なんだか近所のおばちゃんになった気持ちで微笑んでしまいます。繰り返し聴くうちに、自分が娘であったことに気付きます。母を思い出し、厳しくも優しく考えを押し付けず育ててくれたことに感謝の気持ちがこみあげます。そして、母親でもある自分の我が子はどんな思いでいるのだろうか？この歌のお母さんのように愛情を注げただろうか？叱ったこともあったな。なんて振り返って。

こんな感じで、かわむらいさみさんは考えるきっかけをくれるんです。私の気持ちを動かし、ざわつかせる曲は、他にもたくさんあるんです。その時々の自分に、ピタッとくる1曲がそこにあります。

こんなにも人を惹きつけるのは、それぞれの人の気持ちに寄り添ってくるからだと思います。もっともっと多くの人に届いてほしいです。

2/4渋谷ストリームホールでかわむらいさみさんの世界にどっぷり浸かりに行きます。

楽しみです。