「駅馬車七面鳥」という名前を初めて見たとき、正直、強烈すぎて二度見しました。駅馬車と七面鳥。この二つが並ぶことで生まれる意味不明さとインパクトは、一度見たら忘れられません。そしてその名前に負けない存在感を持っていることが、パフォーマンスを通してはっきり伝わってきました。

Glam Rock’n rollerという肩書きも含め、駅馬車七面鳥さんは最初から「普通で終わるつもりがない」ことを全身で表現しているアーティストだと思います。名前だけが奇抜なのではなく、その世界観、立ち姿、音楽への向き合い方すべてが一本の太い軸でつながっており、むしろこの名前でなければ成立しないとすら感じました。

オンライン枠でありながら、画面越しでもしっかり伝わってくるエネルギーとロックンロールの匂い。グラムロック特有の華やかさや少しの危うさ、そしてどこかユーモアを感じさせる空気感は、「駅馬車七面鳥」という名前が持つ不可解さと絶妙にリンクしています。名前のインパクトで惹きつけ、音で納得させる。この流れが非常に鮮やかでした。

多くのアーティストが“覚えてもらうこと”に苦労する中で、駅馬車七面鳥さんは名前を聞いた瞬間からすでに勝負を始めています。しかし、そこで終わらず、きちんと音楽で信頼を積み上げていく姿勢に強い説得力を感じました。OTONOVA2026という舞台において、この異物感と個性は大きな武器になるはずです。

セミファイナルDブロックの中でも、ひときわ記憶に残る存在。それが駅馬車七面鳥さんです。次のステージで、この名前と音楽がどこまで羽ばたいていくのか、心から楽しみにしています。