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記憶の余韻を歌う ― 印象派的歌唱表現における時間と存在

ONLINE AsaMo

【セミファイナル Aブロック】OTONOVA2026 (オンライン枠)

開催日: 2025/12/20

印象派音楽を歌唱表現の核とする彼が、アメリカでの音楽研修を通じて得た思考と感性を、詩的言語によってまとめたものである。異文化環境に身を置いた経験は、技術習得や成果主義的評価を超え、音楽表現における「時間」「記憶」「関係性」といった非可視的要素への関心を深める契機となった。本詩では、突然訪れる別れを主題とし、他者の人生における自身の位置づけを静かに問い直している。中心的存在ではなく「走馬灯の端」に映る存在であったとしても、共に過ごした何気ない時間を忘れていないという姿勢は、印象派音楽が重視する余白や曖昧さと親和性が高い。特別ではない日常の断片に価値を見出す視点は、感情を直接的に表出するのではなく、聴き手に想起を委ねる歌唱表現へと昇華されている。さらに、記憶を言葉として綴り残す行為を「思い出の貯蓄」と捉える発想は、将来の別れを見据えた内省的態度の表れであり、留学経験によって培われた精神的成熟を示すものである。本レポートは、彼の音楽的背景と個人的体験が有機的に結びつき、今後の表現活動の方向性を明確に示している点で高く評価できる。

投稿者

otooo

2025/12/16 13:56

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