全国決勝という大きな舞台。客席に座っている私まで緊張して手が冷たくなっていたのですが、カプチーノの皆さんがステージに現れ、挨拶された瞬間、会場の空気がふっと柔らかくなったのを感じました。

グループ名の通り、彼らの歌声はふわふわの泡のようにきめ細やかで、一口飲めば体の芯から温まるような優しさに満ちていました。バラード部門ということで、静かな曲調のはずなのに、その音圧というか「想いの厚み」がすごくて。 派手なパフォーマンスで圧倒するのではなく、隣に座ってそっと肩を叩いてくれるような距離感。学校の帰り道、冷たい風に吹かれながら一人で歩いている時に、この歌声が流れてきたら絶対に泣いちゃうな……って、聴きながらガチで思いました。

プロフィールにある「懐かしくてほんのり暖かいうた」という言葉。まだ10数年しか生きていない私に、懐かしさなんてわかるのかな？ と思っていたけれど、それは大きな間違いでした。 カプチーノさんのハーモニーを聴いていると、幼い頃に見た夕焼けや、お母さんが作ってくれたご飯の匂い、そんな大切な記憶が次々と溢れてきて。彼らの歌声は、私たちが忙しい毎日の中でどこかに置いてきてしまった「心の宝物」を思い出させてくれる、不思議な力を持っていました。

アカペラの全国大会だから、どのグループも歌が上手いのは当たり前。でも、カプチーノさんの歌声には、技術だけでは説明できない「ぬくもり」が宿っていました。一音一音を大切に、言葉の意味を噛み締めるようにうたう姿。その「心を込めて」という真っ直ぐな姿勢が、モニター越しの、そして会場のすべての人に伝わって、最後の一音が消えた後の静寂が一番エモかったです。

 カプチーノの皆さん、最高に「あったかい」時間をありがとうございました！ 私たち高校生にとって、皆さんの歌声は最高に贅沢な心のサプリメントでした。これからも、その「カプチーノ」のような歌声で、世界中の凍えた心を温め続けてください。ずっとずっと大好きです！