正直に言うと、最初に知ったときは「15歳」という情報に目がいきました。でも知れば知るほど、年齢の話をすること自体が失礼に感じてきました。小川泉さんの音楽は、年齢を超えて、ひとりの表現者としてしっかり立っているからです。

ベースを持って歌う姿には、自分の居場所を自分で作ってきた強さがあります。中学生からベースを始め、関西のライブハウスで活動を続けてきた経験は、簡単に真似できるものではありません。舞台経験やDTMでの作曲、ミュージカル曲の提供など、音楽を多角的に捉えている姿勢が、今の幅のある表現につながっているのだと思います。

CD「じゆうちょう」が完売し、レコ発ライブが成功したという話からも、応援する人たちとの信頼関係が伝わってきます。音楽を届ける側としての責任感と、受け取る側への誠実さがあるからこそ、若くても支持されているのだと感じました。SONY MUSICのレッスンプログラムや音楽祭での受賞歴も、努力がきちんと形になっている証だと思います。

2次予選突破は、その歩みが間違っていなかったことを示すひとつの結果です。これから先、表現が変化しても、芯にある音楽への真剣さは変わらないはずです。次のステージでも、小川泉さんらしい音を堂々と鳴らしてほしいと心から思います。