次も頑張ってください。
【予選1st 第17ブロックB】OTONOVA2026(オンライン)
開催日: 2025/11/22
予選第17ブロックBは、多種多様なジャンルが混在していましたが、特に「女性ボーカルの表現手法の違い」と「バンド編成における差別化」という観点から興味深いデータが得られました。
まず女性ボーカル勢の比較分析です。
「Meiya」さんは、往年のJ-POPバラードの様式美を踏襲したアプローチを取っています。KOKIAさんを彷彿とさせる声質ですが、特筆すべきはその「ドラマチックな構成力」です。ゆったりとした曲調の中で、抑揚をコントロールし、聴き手を物語の世界へ引き込む力は、演劇的な要素さえ感じさせます。
対照的に、「モテギスミスバンド」さんは、ロックサウンドに乗せた「感情の爆発」を武器にしています。文学的な歌詞をベースにしつつ、「痛い」というフレーズで見せるシャウト気味の歌唱は、リスナーの情動に直接訴えかけるフックとして機能しています。緻密なバンドアンサンブルがありながら、ボーカルが「個」を剥き出しにするスタイルは、ライブハウスシーンでの支持を集めやすいでしょう。
「かりんとう」さんは、アコギ弾き語りというシンプルな形態ですが、映像のトーン(白い服、淡い色彩)と声質のマッチングが計算されています。aikoさんの楽曲を選曲している点も含め、自身の「透明感」や「親しみやすさ」を最大限に演出するセルフプロデュース能力の高さを感じました。
次に男性バンド勢の戦略についてです。
「DAWN.」さんは、King Gnu以降のミクスチャー感覚を取り入れた、現代的なロックの王道を行くスタイルです。骨太なグルーヴと洗練されたアレンジのバランスが良く、幅広い層に受け入れられるポテンシャルがあります。
一方、「KAZUTO&MIGHTY BLOW」さんは、ウッドベースとセミアコという編成で、明確な差別化を図っています。70年代パンクやロカビリーの要素を取り入れつつ、あえて「荒削りな魅力」や「年齢を重ねた味」を前面に出すことで、若手バンドには出せない独自のポジションを確立しています。このニッチな市場を狙い撃つ戦略は、オーディション等の混戦において埋没しないための有効な手段と言えるでしょう。
正統派の表現力、感情的な爆発力、そして独自の編成による差別化。
各アーティストがそれぞれの「勝ち筋」を模索している様子が窺える、分析しがいのあるブロックでした。
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