いよいよ「Movie Grand Prix vol.22」の【予選A-1】ブロックの投票が始まりましたね。 映像のクオリティも素晴らしい方々で、プロフィールにのっているミュージックビデオを拝見し音楽と映像がどのような「アンサンブル」を奏でているのか、非常に楽しませていただきました。

最初にチェックした際…これは、驚きました。
この予選、本当にレベル高い方々が多く、彼らのSNSなどにあげている自作曲のどの作品も非常にクオリティが高く、それぞれの個性が光っていて、「だれが一位をとってもおかしくない」というのが正直な感想です。

ですが、その中でも、です。 このブロックで、私の耳が、そして目が釘付けになってしまった、二組のアーティストがいます。 あくまで現時点での私の直感ですが、やはり「アユム」さん、そして「amadare」さん。この二組が、このまま序盤から「駆け抜けそうな気がしています」。 なぜなら、このお二方は、ご自身の「声」という「楽器」の特性を完璧に理解し、それを最大限に活かす「アレンジ（編曲）」と「映像（演出）」を、恐ろしいほどの完成度で提示してきたからです。

まず、「アユム」さん。 彼の作品は、ピアノと声という、最小編成の「デュオ（二重奏）」のような印象の曲が素敵でした。（最終的にもっと音は追加されていきますが）

ミュージックビデオの「暗さ」と「一筋の光」という演出は、まさに音楽でいう「強弱（ダイナミクス）」。ピアニッシモ（とても弱く）から、一気にクレッシェンド（だんだん強く）していく感情の起伏を、見事に視覚化しています。 そして、その映像と完璧に調和する、しんみりとした美しいピアノの和音（コード）。その響きの中で、アユムさんの声が、寸分違わぬ「音程（ピッチ）」で主旋律を奏でていく。 高くも低くも聞こえる、あの不思議な声質。倍音の響き方が独特なのでしょう。 だからこそ、「ストレートな歌詞」が、ただの言葉ではなく「メロディ」として、我々の心に正確に届くのです。このアンサンブルの完成度は、本当に見事と言うほかありません。

対する、「amadare」さん。 彼もまた、「声」という楽器の達人です。 アユムさんが「正確な音程」で聴かせるタイプだとしたら、amadareさんは「音色と揺らぎ」で聴かせるタイプ。 彼の声には、まるでオーボエやフルートのような「上品なハスキー具合（息の成分）」と、弦楽器のビブラートのように計算された「音程の微細なブレ」があります。 これは技術的な未熟さなどではなく、聴く者の感情を揺さぶるための、高度な表現技術だと感じました。 この稀有な「音色」を、あのアダルトで色気のある映像と組み合わせるセンス。 映像と音楽、そのどちらもが主役でありながら、完璧に「調和」している。

どちらも甲乙つけがたい。 静かで正確な「癒し」のアユムさんか、官能的で「揺らぎ」のあるamadareさんか。 この二組が、他のアーティストをどう引き離していくのか。 「声」という楽器の、無限の可能性を見せつけられたような、素晴らしい予選ブロックです。

投票は明日まで。

しっかり行く末を見届けます！！