OTONOVA2026の予選第17ブロックAを視聴いたしました。
バンド、シンガー、インストゥルメンタルと、形態は様々ですが、それぞれの音楽性が確立された見応えのあるブロックでした。

まずは「Noi」さんです。
こちらは疾走感のあるロックサウンドが印象的でした。
テンポの速い演奏に乗るメロディにはどこか哀愁があり、9mm Parabellum Bulletなどを彷彿とさせるような、日本人好みの「美しいネガティブさ」を感じさせる世界観でした。
ボーカルの方の高音の伸びも非常に綺麗で、悲しげでありながらも壮大なスケール感のある楽曲に引き込まれました。

演奏のみでこれほどまでに熱い気持ちにさせてくれるのかと驚かされたのが、インストバンドの「WaiqU」さんです。
ボーカルがいない分、楽器の音がダイレクトに感情を訴えかけてくるような迫力がありました。
ドラマーがお二人いらっしゃるのでしょうか、リズムの厚みと音圧が素晴らしく、変拍子を取り入れた複雑な構成もスリリングでした。ギターのサウンドもエッジが効いていて格好良く、言葉がなくても十分にその魅力が伝わる、実力派のバンドだと感じました。

ソロのシンガーの方々も個性的でした。
「板垣慎太郎」さんは、ミドルテンポのポップロックを甘い声で歌い上げており、その声に含まれる上品な掠れ具合がとても素敵でした。どこか時代を感じさせる歌謡曲のような親しみやすい曲調も相まって、安心して聴くことができました。
「花咲舞」さんは、カラオケルームからの配信というスタイルでしたが、その歌声にはハスキーな強さと艶やかさがあり、環境を選ばない歌の力を感じました。

そして最後に、大きな衝撃を受けたのが「小川泉」さんです。
ベースボーカルの女性なのですが、調べたところなんと15歳とのことで驚きました。
Sony Music the LESSON plusの2期生とのことで、基礎のしっかりしたパフォーマンスにも納得です。
随所に織り交ぜられるスラップベースの技術もさることながら、15歳らしいあどけなさと、アーティストとしての芯の強さが同居した歌声が非常に魅力的でした。
バックサウンドはオケでしたが、生のバンドで演奏する姿をぜひ見てみたいと思わせる、将来有望な才能だと感じました。