ALLiCAの姿は、まさに令和の音楽シーンにおける「ライブバンドの在り方」を真正面から提示するものでした。2022年9月の結成以来、年間100本という驚異的なペースで全国各地を巡るその活動力は、単なる若さゆえの勢いではなく、音楽という手段でしか自分たちの証明ができないという、切実なまでの覚悟の表れだと感じます。

彼らが掲げる「生きとし生けるもの全ての在処を探し続ける」というテーマは、居場所を見失いがちな現代社会において、多層的な孤独や葛藤を抱える大人たちの心にも深く、そして静かに突き刺さります。Vo.魁-KAI-さんの、一度聴けば抗いようもなく耳に残る強烈な歌声は、その「在処」を求める叫びのようでもあり、同時に迷える者への道標のようにも響きます。その歌声を核として放たれるバンド全体のアグレッシブなライブパフォーマンスは、画面越しであっても、観る者の日常にある閉塞感を打ち砕くほどの熱量を帯びていました。

効率化やデジタル化が進む今の時代に、あえて全国各地のライブハウスを泥臭く回り、現場の熱狂を積み重ねていくALLiCAのスタイル。その「現場至上主義」の姿勢こそが、彼らを「令和最初のライブバンド」たらしめています。番組でのトークを通じ、彼らが今後ライブハウスシーンを牽引していく存在になるであろうという予感は、確信へと変わりました。自分たちの信じる音を、自分たちの足で届け続ける。その愚直なまでの情熱に触れ、久々に本気で「追いたい」と思わせてくれる本物の表現者に出会えた喜びを感じています。ALLiCAが探し続けるその「在処」が、世界中のリスナーにとっての救いとなる日を楽しみにしています！