みんなで作る音楽
OTONOVA 2026【ライブハウス枠】セミファイナルA
開催日: 2025/12/21
堂本剣人さんのプロフィールを読み、まず胸を打たれたのは、その「退路の断ち方」の潔さです。26歳での作曲開始、そして上京。安定を捨てて未知の世界へ飛び込むことがどれほど恐ろしく、そして尊いことか。社会の波に揉まれる大人であればあるほど、彼の背中に自分の抱けなかった夢や、忘れていた情熱を重ねずにはいられません。
彼のライブの最大の特徴は、ギターと声、そしてループステーションのみで構築される「その場限り」のアンサンブルです。 今の時代、PCや同期音源を使えば、完璧に整った音を出すことは容易です。しかし堂本さんは、あえてそれらを一切排除し、リアルタイムの「一発勝負」にこだわります。一音一音をその場で重ね、層を厚くしていくプロセスは、まるで一本の映画を目の前で撮り上げているかのような緊張感と興奮があります。その「失敗が許されない」というヒリつきこそが、ライブハウスという場所で放たれる音楽の正体なのだと思い知らされます。
キャッチコピーである「1人で歌う、独りじゃない歌」。 ステージに立つ彼は確かに一人ですが、ループステーションで重ねられた音の層は、彼がこれまで出会ってきた人々や、抱えてきた感情の重なりのようにも聞こえます。 「見つけてくれる“あなた”が生きる手応え」という言葉には、表現者としての謙虚さと、受け手に対する並々ならぬ執着(愛)が宿っています。独りで音楽を紡ぎながらも、その視線は常に客席の一人ひとりに注がれている。だからこそ、彼の歌は聴き手の孤独にそっと寄り添い、共に歩むための力強さを与えてくれるのです。
2025年2月の上京から、この短期間でセミファイナルのステージまで登り詰めた勢いは、まさに彼が懸けた人生の重みそのものです。 堂本剣人さん。あなたがステージで音を重ねるたび、それは単なる音楽ではなく、一人の人間が泥臭く、しかし美しく生き抜いている証しとして響きます。
その剥き出しの情熱で、ライブハウスの空気を塗り替えてください。出会ってしまった私たちは、もうあなたの音楽を独りにはさせません。最高のパフォーマンスを、心より期待し、応援しております!
レビューやコメントを投稿するとギフトがもらえる!
ログインしてコメントする


