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川崎ライブハウス Y's【神奈川】 パノラマとラボラトリー

『音楽ラバーのたまりbar vol.10』 presented by パノラマとラボラトリー

開催日: 2025/12/12

今回のイベントは、日常から少し距離を置き、音楽そのものと静かに向き合える貴重な時間でした。会場に入った瞬間から、騒がしさとは無縁の落ち着いた空気が流れており、「聴くこと」を大切にする場であることが自然と伝わってきました。パノラマとラボラトリーのお二人が音を鳴らし始めると、その空気はさらに研ぎ澄まされ、会場全体が一つの音空間としてまとまっていくのを感じました。


ドラマー・坪井洋さんの演奏は、リズムを前に押し出すのではなく、楽曲全体を俯瞰して支えている印象でした。無駄のない音選びと安定感のあるビートが、楽曲に安心感を与えており、ヨーロッパでの活動経験が培ってきた音楽的な視野の広さを感じさせます。派手さに頼らず、音楽の本質に向き合ってきた演奏だと思いました。


キーボード・森田珠美さんのサウンドは、ジャズ、ポップス、エレクトロニカといったジャンルを横断しながらも、どこか一貫した世界観がありました。旋律だけでなく、余韻や間の使い方がとても丁寧で、聴く側に考える時間や想像の余地を与えてくれます。二人の音が重なったときに生まれる立体的な音空間は、このユニットならではの魅力だと感じました。


トークパートでは、「エマージェンザ2022」で日本優勝、世界決勝2位タイという実績にも触れられていましたが、結果を誇示するのではなく、これまで積み重ねてきた活動の延長として語られていた点が印象的でした。その姿勢から、音楽に対する誠実さと長い視点での創作意識が伝わってきました。


全体を通して、今回のイベントは刺激的でありながらも心を落ち着かせてくれる時間だったと思います。パノラマとラボラトリーが描く音楽の世界は、静かに寄り添いながら深く残るものであり、今後の活動にも引き続き注目したいと感じました。

投稿者

かずぴろ

2025/12/18 23:14

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