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明治安田ホール【東京】 映し音

【バラード部門 全国決勝】Acappella Grand Slam コロシアムリーグ

開催日: 2025/12/14

映し音のステージを拝見して、まず感じたのは「音だけで、ここまで情景を語れるのか」という驚きでした。早稲田大学StreetCornerSymphonyに所属するグループと聞き、技術力の高さは想像していましたが、それ以上に印象に残ったのは、音楽としての完成度と物語性の深さでした。


一音目が鳴った瞬間から、会場の空気がすっと切り替わり、まるでスクリーンのない映画館に入ったような感覚になります。声の重なり方や間の取り方が非常に丁寧で、無理に感情を押しつけることなく、聴き手の想像力に委ねてくる余白が心地よく感じられました。忙しい日常の中で、こうした「想像する時間」を与えてくれる音楽は、実はとても貴重だと思います。


それぞれの声が役割を持ち、旋律、和声、リズム、効果音のような要素までが自然に組み合わさり、一つの映像作品のように展開していく構成は見事でした。技巧に走りすぎず、あくまで物語を伝えるための表現としてアカペラを選んでいる点に、音楽への誠実さを感じます。


年齢を重ねると、音楽に即効性のある刺激よりも、「後から静かに残るもの」を求めるようになりますが、映し音の音楽はまさにそのタイプでした。聴き終えた後も、頭の中にいくつかの場面が余韻として残り、しばらくその世界観から離れられませんでした。大人の耳と心にもしっかり届く、完成度の高いステージだったと思います。素晴らしかったです。

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