お疲れ様でした。
歌降る夜 vol.7
開催日: 2025/10/24
「歌降る夜 vol.7」と題されたオンライン配信イベントを視聴した。開催場所は「池尻大橋#chord_」。まず興味深いのは、このライブハウスの選定だ。池尻大橋は都心からのアクセスが良く、かつ比較的落ち着いたエリアであり、「#chord_」は配信映像から察するに、比較的新しく、ステージ演出(特に照明)にこだわりのあるハコだと見受けられる。これは、イベントの「雰囲気」や「世界観」を重視するターゲット層に対し、会場選定の段階からブランディングを行っていることを示唆している。
今回のイベントコンセプトは「未来の歌姫」。出演者は、すずきゆい氏、NAO ANNO(安納なお)氏、祈世麻里氏、ayakaLABO氏、姫野香織氏、虹空ひなた氏の6名。全員が女性ソロシンガーで統一されており、ターゲット層が明確なイベント設計だ。
パフォーマンスの傾向として、女性シンガー特有の優しさや繊細さ、内面性を押し出した楽曲が多かった印象だ。これは、現代のJ-POP市場で主流となっているBPMの速いダンスミュージックや、アッパーなバンドサウンドとは一線を画す。あえて「静」の領域で勝負することにより、競争の激しい音楽市場において明確な差別化要因を構築している。特に、激しい音楽に疲れた層、歌詞と歌声をじっくり聴きたいという層、あるいは日々の生活に「癒し」を求める層(恐らくは20代後半~40代の都市部ワーカー)には、強く訴求するだろう。
「どこにでも探せばこういった素敵なステージがある」という感想は、裏を返せば、これだけクオリティの高いアーティストがメジャーシーン以外(インディーズ、あるいはフリーランス)に多数存在しているという事実を示している。これは、音楽市場のロングテール化と、Mudiaのようなプラットフォームがその受け皿として機能していることを示唆している。
イベントタイトルの「歌降る夜」という情緒的なネーミングも、ターゲット層の感性に響くよう計算されたものだろう。総じて、明確なコンセプトとターゲット設定、会場選定、そしてプラットフォームの特性を活かした、非常にロジカルで手堅いイベントであったと評価できる。
レビューやコメントを投稿するとギフトがもらえる!
ログインしてコメントする


