「歌降る夜 vol.7」という配信イベントを拝見しました。会場の「池尻大橋#chord_」、非常に響きの良さそうな、綺麗なホールですね。私が学生時代に吹奏楽コンクールで立った、市民会館のステージを思い出します（笑）。

今回は「未来の歌姫」ということで、すずきゆいさん、NAO ANNO(安納なお)さん、祈世麻里さん、ayakaLABOさん、姫野香織さん、虹空ひなたさんと、女性のソロシンガーの方々が出演されていました。

私は学生時代、楽器（管楽器）を吹いていたものですから、どうしても「アンサンブル」や「ハーモニー」に耳がいってしまいます。その点、今回のソロシンガーの方々のステージは、非常に興味深いものでした。

一見、歌声という「ソロ」が主役に見えますが、これは間違いなく、伴奏のピアノやアコースティックギターとの「デュオ（二重奏）」、最小編成のアンサンブルなんですね。 伴奏が歌声にそっと寄り添い、歌声が少し強くなれば伴奏も応える。その息遣い、阿吽の呼吸が見事で、非常に質の高いアンサンブルを聴いているようでした。

そして何より、出演者の皆様の「歌声」という楽器の素晴らしさ。 我々が楽器で苦労する「ピッチ（音程）」の正確さが、皆さん本当に見事でした。特に、ロングトーンで声を伸ばす場面や、跳躍するメロディでも、音が不安定にならない。これは相当な訓練の賜物でしょう。 また、声量のコントロール、いわゆる「強弱（ダイナミクス）」の付け方にも感心しました。ささやくようなピアニッシモ[記号のピアニッシモ]から、感情を爆発させるフォルティッシモ[記号のフォルティッシモ]まで。声だけでこれだけの表現幅を持てるというのは、楽器奏者として見ても羨ましい限りです。

女性シンガー特有の繊細な表現というのも、楽器でいう「音色」の使い分けですね。本当に素晴らしい演奏を聴かせていただきました。