「ファンを増やす」というテーマは、どこか遠い世界の話だと思っていました。でも今回の「Make a Story～アーティスト戦略会議～『ファンを増やしたい』」を通して、その考え方が少し変わった気がします。

数字や結果を追う話ではなく、人と人との関係をどう育てていくか、という視点が中心だったからです。

なかちーさんのお話から感じたのは、活動を続けていくうえでの“地に足のついた考え方”でした。ファンを増やすために何か特別なことをする、というよりも、自分がどんな姿勢で表現と向き合っているか、その積み重ねが自然と伝わっていく、という考え方が印象的でした。

大学生の立場で聞いていると、「自分は何をしたいのか」「何を大事にしたいのか」という問いは、音楽活動に限らず、将来を考える上でも重なる部分が多いと感じました。周囲と比べて焦ってしまったり、正解を探そうとして迷ったりすることは誰にでもありますが、なかちーさんの言葉からは、無理に答えを出さなくてもいい、というメッセージが伝わってきました。

特に印象に残ったのは、発信についての考え方です。たくさん発信することよりも、自分の言葉として納得できるかどうかを大切にする姿勢は、SNSが身近な世代だからこそ、改めて考えさせられる部分でした。

流れに乗ることよりも、自分のペースを守ることの大切さが、静かに伝わってきました。

また、ファンとの距離感についても、理想論ではなく現実的なお話だったと感じます。一人ひとりとの関係を大切にすることが、結果として活動の土台になる。その考え方は、短期間で結果を求めがちな今の時代だからこそ、価値があるものだと思いました。

この戦略会議は、「こうすれば成功する」という答えを教えてくれる場ではありませんでした。でもだからこそ、自分自身で考えるきっかけをたくさんもらえた気がします。何を大切にして続けていくのか、その軸を持つことが、遠回りに見えて実は一番近道なのかもしれません。

大学生として、まだ模索の途中にいる立場だからこそ、今回のお話はとても現実的に響きました。焦らず、自分の言葉と向き合いながら進んでいく。

その姿勢自体が、きっと誰かの心に届くのだと思います。そんな学びのある時間でした。