セミファイナルという場に進まれた高遠波名さんの名前を見て、まず感じたのは、ここまで積み重ねてきた時間が、ちゃんと届いているんだなということでした。

話題性や強い自己主張よりも、音楽そのものを続けてきた人が、こうして次のステージに立っていることに、素直に意味を感じます。

高遠波名さんの音楽には、聴く側に寄り添う距離感がありす。　　

前に出すぎることもなく、かといって遠すぎることもない。そのちょうどいい位置で、ピアノと歌が静かに重なっていく印象があります。

SNSで楽曲を聴いていると、最初に受け取った印象とは少しずつ違う表情が見えてくるのも特徴だと感じました。

楽曲数が多いことや、長く活動を続けていることは、簡単なことではありません。

それをあえて強調しなくても、音の運び方や言葉の選び方から、積み重ねてきた時間が自然と伝わってきます。

毎月のリリースという取り組みも、派手なアピールというよりは、音楽を止めないという姿勢そのものだと受け取りました。

セミファイナルという段階では、技術や完成度だけでなく、その人が音楽とどう向き合ってきたかも見られていると思います。

その点で、高遠波名さんの表現はとても一貫しています。流行に合わせすぎず、自分のペースを保ちながら音楽を続けてきたことが、今の形につながっているように感じました。

個人的には、ピアノ弾き語りというスタイルだからこそ、余計な装飾がなく、楽曲の芯がはっきりと伝わってくるところに魅力を感じています。

聴く側も構えずに向き合える音楽であり、それが長く支持されてきた理由のひとつなのだと思います。

セミファイナルは通過点ではありますが、ここまで来たこと自体が、これまでの歩みを肯定してくれる結果だと感じます。

これからも、無理に形を変えず、高遠波名さんらしい音楽をそのまま届けてほしいです。この先のステージでも、その積み重ねがきちんと評価されることを願っています。