あさがやドラムで開催された「みやびや歌×ELEGANTONE」合同年末スペシャル。一年の締めくくりにふさわしい華やかなステージの中でも、ひときわ優しく、そして力強い光を放っていたのが今井優さんでした。

今井優さんといえば、元AKB48チームKのメンバーとしての華々しいキャリアを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、今の彼女がステージで見せる姿は、当時のアイドルとしての輝きを大切に残しながらも、一人の「シンガーソングライター」として、そして「二児の母」としての深みを増した、より等身大で魅力的なものでした。

ピアノの前に座り、鍵盤に指を置いた瞬間に広がる、静謐（せいひつ）ながらも温かい空気感。彼女の奏でるピアノ弾き語りは、テクニックを超えた「伝える力」に満ちています。かつての激しいダンスパフォーマンスとはまた違う、一音一音に想いを込める丁寧な指先と、透明感がありながらも芯の通った歌声。そのコントラストに、会場にいた多くのファンが静かに聴き入り、心地よい余韻に浸っていました。

特に印象的だったのは、彼女が歌う楽曲の端々ににじみ出る「生活の体温」です。二人の子供を育てるお母さんとして、日々を懸命に生きている彼女だからこそ書ける言葉、歌えるメロディ。それは、華やかなステージの裏側にある、誰もが共感できる喜びや苦労、そして家族への深い愛情を感じさせるものでした。AKB48時代からのファンはもちろん、今ライブハウスで彼女に出会った人の心をも等しく温めるのは、その「人間としての厚み」があるからではないでしょうか。

また、普段はBIGO LIVEやTikTokなどの配信プラットフォームでも活動されている彼女。画面越しに毎日コミュニケーションを取っているファンにとっても、リアルのライブハウスで聴く彼女の生歌は、また格別なものだったはずです。配信で見せる親しみやすさと、ステージで見せるアーティストとしての顔。その両方を持ち合わせていることが、今の今井優さんの最大の武器なのだと感じました。

年末という、誰もがこの一年を振り返り、大切な人を想う時期。今井さんのステージは、まさに「お疲れ様」と肩を叩いてくれるような、そして「また来年も頑張ろう」と背中を押してくれるような、最高のギフトでした。

かつてのチームKの熱い魂を持ちながら、ピアノ一本で今の自分を表現し続ける今井優さん。一人の女性として、母として、そして表現者として歩み続ける彼女の道のりを、これからもずっと応援していきたい。そう強く思わせる、素晴らしい年末のひとときでした。

素敵な歌声をありがとうございました！来年もまた、その温かな旋律に会えるのを楽しみにしています。