お疲れ様でした。
【セミファイナルC】Movie Grand Prix vol.23
開催日: 2026/02/14
最も熾烈な動きのあった、セミファイナルCブロック。
出演された6組のアーティストさんたち、そのファンの方々、ひとまずはお疲れ様でした。
セミファイナルCの動画一覧を眺めていると、そこにはまるで一冊の質の高い短編集をめくるような、豊かな物語性が溢れていました。
このブロックは非常に個性が強く、それぞれが独自の色彩を放っていましたが、私の感性に最も優しく触れてきたのは、静寂や「間」を美しく操る二人の女性アーティストでした。
まず心を奪われたのは、21歳のシンガー、琴平萌花さんのステージです。彼女の放つアンニュイな空気感は、今の時代を生きる私たちの心の疲れを、そっと解きほぐしてくれるような不思議な脱力感に満ちていました。春の気配を感じさせる、柔らかくてどこか物憂げなメロディ。それは、何色とも決めつけられない曖昧な美しさを持っていて、公開されていた素敵なミュージックビデオの世界観が、さらに深い情緒を伴って目の前に広がったようでした。彼女の歌声は、無理に声を張るのではなく、吐息に近い繊細さで感情を伝えてきます。その自然体な佇まいこそが、今の私たちが求めている「本物の等身大」なのかもしれません。彼女のパフォーマンスを観終わった後、部屋の窓を開けて新しい風を入れたくなるような、そんな爽やかな余韻が残りました。
一方で、悲しげなバラードが胸に深く染み渡ったのがNONKOさんです。彼女の歌声は、琴平さんの持つ「春のまどろみ」とはまた異なる、冷たい夜の空気の中で灯される一筋の光のような、静かな強さを持っていました。悲しみという感情を、決して卑屈にならず、一つの美しい情景として描き出すその表現力には、大人の女性としての気品と覚悟を感じました。画面越しであっても、彼女が歌い出した瞬間に会場(オンライン上の場)の空気がシーンと静まり返るような、そんな神聖な集中力が生まれていたのが分かります。
21歳という若さの特権であるアンニュイな魅力と、経験を重ねたからこそ歌える静謐な情緒。この二つの歌声が共鳴したセミファイナルCは、私にとって音楽の持つ「癒やし」と「救い」の側面を改めて噛みしめる時間となりました。派手な盛り上がりだけが音楽の価値ではない。静かに心に寄り添い、景色を塗り替えてくれる音の力が、これほどまでに豊かであることを教えてくれたお二人に、感謝の気持ちでいっぱいです。
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